<< 解決は、しません。明日 君がいなくても。main京都慕情w >>

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昨日からの嵐で真っ黒く練れたレールは
遠くの光に吸い込まれていた。
ただ開いて閉じるだけのドアに
彼はいらいらして目を向けながら
言葉にならない悪態ばかりついている。
もうどっちかわからない温度の缶コーヒーが
彼の手の中で形をゆがませた頃、
自分が好きだった曲さえ味気なくなった事に
彼はやっと、気付いたんだ。

    何しに来た?

開いたドアが彼に言う。

    何してるんだ?

閉じるドアが、彼に言った。
ドアにぶつけられた空き缶が
車両の奥へ転がっていった。




ねぇあの時、君が言った夢の話は
もうあんなに遠くになってしまったけれど
決して君はうそつきなわけではないよね・
果たされなかった夢のかわりに
君はあんなにも強く生きているのだもの。
時に流された夢は多分また
誰かの胸に宿りながら
いつか孵化する事を
やっぱり夢にみているのかもしれないんだから。




最後のドアが開いて、仕方なく彼は外へ出る。
階段のコンクリートが侵食されて痛そうだ。
足を引っ掛けて、彼は
この街の階段にまで笑われていた。
追い出されるように感じるのは
彼の目が何も見たくないからだった。
昨日までの嵐はこの街にも来ていて
足元に落ちた看板の悲鳴が聞こえるようだ。
目の前の坂を上らずに、少し明るい港の方へ足を向けた。
夜はいいね。
あからさまに彼を攻めない。

彼の街にも海はあった。
壁に囲まれたちっぽけな海が。
だけど幼い彼にはその海でさえ
大きく素敵に見えていたのに
もう、ほらあのビルに影に
ちっぽけな海は沈んでしまったよ。
たった一つの楽しみさえ
幼い彼はなくしてしまったんだ。
もう憶えてもいない、つまらない、記憶-。



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2007.0716 
Copyright 2007 akira. All right reserved.
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